ふたつ   …いや、みっつぐらいあればいいのに。

その時の状況に応じて、それにあった心で相手や周りに気持ちを伝えられる。

だとしたら、私はもっと普通に、普通の31歳の普通の平凡な主婦

だったのかもしれない。


だけど実際こころは一つしかないので、思ってもないことや

天邪鬼なこと、わがまま、かわいくない、魅力のまったくない

言葉や表情を私から次々と発信していく。


でも、それが一つしかない、私のこころ、姿である事実。

私はまた空をみて、深く空気を吸い込み


…たいのに、細かく震えるこころが、うまく深呼吸さえ許さない。

広いの狭いの、札幌。

どっちだ。

どっちでもいいから、連れ去って欲しい。

ファンデーションの鏡を何度かみながら自分に言う。

ごめん。

愛せなくてさ。愛されなくてさ。顔に罪はあまりない。私のこころがダメなんよ。

許せ。この手この足、この唇。


許して。


相手のこころを想像する。

でも、それはやはり相手にしかわからない。

でも、わかりたいから静かに想像する。

知りたいよ。あたし。あたしをばかだと言う。

浮かんできたものは、笑顔と寝顔と、私を呼ぶ声と、寄り添うことを許さない背中だった。

口も目も半開きで、パンツに手を入れて寝ているどうしようもない姿が

いとおしい。

ほらね…今のあの人を見れていない。

哀しい。






連休中、今日が唯一の休みでした。

息子は前の晩から、久々のお休みにテンション↑↑

私もホント朝寝坊できるとあって、前の晩なんか梅酒を少し飲んだりして。

しかしながら天地があれよとひっくり返り、結果一睡もせず私は朝を迎えてしまいました。

眠ろうとしても、頭が眠らないって言うか、誰しも一度は経験のある

落ちる感じ。はぁ!!っていうあの。そればっかりで、10分もまとまって眠れない。

こりゃ逆に疲れる…ソファーに座って足の爪をずっと見てた。

もう、考えて途方に暮れて脳みそも思考回路も最大に飽和したころ、息子起床。

いつものかわらない朝となりました。

車で近くの山まで行き、散策道をのんびり歩き、

息子の得意な恐竜の鳴きまねを延々と聞き、こわばっていた私の身体から

力が少し抜けていく。

寝癖のよこっちょの髪を揺らしながら、息子は言う。


ママ知ってる?この地球の中に、1番とかはないんだよ。

これも好きだし、あれも好き。

お昼ごはんもおやつも同じくらいすき。お茶とジュースはすこーしちがうかも。

でも好きだし、

パパのことも、ママのことも同じく大好き。

だから、1番なーに?って質問しないでね。

ぜんぶ宝物なんだからさぁ。


私は息子にありがちな、それでいてデリカシーのない

質問をしたのだ。


そうだよね、息子。



この山の公園まで続く坂道を、汗だくで友達と歩いた子供の頃のおかっぱの私は

怖いものなどおばけ以外なかった、買ったばかりの外靴ではしゃぐ私は、

友達と制服で好きな人の話題で盛り上がってた私は、初めて昼ではなく夜景を見にきた私は、

話が終わるのが切なくて、もっと一緒にいたくて、離れる意味がわからなかった

あなたときた夜明けの私は、


私は

私は


こころは 一つしかもっていなかった。

でもしあわせだった。

届かないから、届けたくて、伝わらないから、伝えたくて、知らないから、知りたくて

でも、ほんとにほんとにほんとに怖くって。





晩御飯を作り終えて、このブログを更新している。

今日は大根と鶏肉の煮物がメイン。

食べにくいねぇ、と息子は必ず言うだろう。

あたしの手はまだふるえている。

こうしてブログは悩みながらもふるえながらも書けるのに、大切な人には、

メール一つ手がホントにガタガタ震えて、胸が苦しくてできないあほな私。


さぁー、わたし笑ってよ。笑っていればこころもおかしくて動くのさ。

おもしろい。たのしい。全部に笑っちゃう。私の笑いにつられて笑い出す。

笑い疲れて、今日はぐっすり眠ろうね。大丈夫だから。