自分戦争。


誰に何を言われても、結局自分が納得しない限りダメ。


みんなそうだと思う。

でも、私のハードルやキャパは少し人と違うらしい。

私の話を、小首をかしげながら親友が聞いていた。

かなり付き合いの長い親友ですら、「???」のよう。

まぁ…、そりゃそうだ。


うちの母は鋭いのか鈍いのかよくわからない。

ただ子供の時から私の考えてることを先回りして言うことがあり

なんだか見透かされているようで思春期はホントに嫌な存在だった。

高校の3年間、母とどんなふうに接してきたのか、何を会話したのか

まったく覚えていない。一緒に何かをした記憶がない。

かと言って不仲なわけではなかったが、それは必要に母が私に関わってこなかったから。

腫れ物になんたら、な存在の娘だったに違いない。

何が嫌って、辛い時に辛いと言わない母の根性というか、意地が嫌いだった。

10年以上経った今の方が、何十倍も話すようになったのは、

私が優しくなったからなのか、母が少し弱くなったのだろうか。


縁があって私の義母になった母も、私が何も言わなくても

あたかも話しを聞いた後のような言葉をかけてくる。

義母はそんなつもりじゃないと思う。

私もかつては役者になりたかった女なので、そこら辺はぬかりなく振舞っているんだけど

声が上ずってでもいるのだろうか。


こないだの母の日にささやかな贈り物をしたので、そのお礼の電話を義母がかけてきた。


必ずかかってくることはわかっていたけど、正直電話にはでたくなかった。

そんな気持ちだった。

時間は20時を少し過ぎていた。

とはいえ出ようかどうしようか躊躇しているうちに切れてしまった。


あぁ…悪いことしちゃったなぁ。


そう思ってもう一度履歴確認をしようとしたら、再びコール。

義母からだ。

おぉっ、どうしよう、でないとだめだよな、あぁ…どうす


ぐらいで、また切れてしまった。

こっちが出ないんだからそりぁ切れるよね。

やれやれ…とトイレに入るとまたコール。

えぇっ!?ま、またっ?なっなに??

いつもなら一度目で出なければ翌日にかかってくるパターンなのに

今日はやけにねばってかかってくる。なんかあったのかな?えっ!なんだ!?

今度こそ出なくてちゃと急いでトイレから出たけれど、切れてしまった。

明日はすぐ電話にでよう… そう思った。


翌日かかってきた義母の第一声が、明るく

「昨日何度もかけたんだけどでなかったよ。なにしてたの?」

…な、何って、あれ、あっ、それ聞くんだっ


子供と一緒に寝てたと言うと、「あぁ、それならいいんだけど。」

と言われた。 ってことは、そうじゃない良くないことも考えてたのか??

私の深読みも手伝って、少々ぎこちない会話になったので息子にかわる。

息子は「ばーちゃん、はやくうちに遊びにきてよん。おもちゃもあるしさぁ~、気に入るのあるとおもうよぉ~」

と、何度も誘っていておもしろい。でも急に、

「じゃぁここで、ママにかわるということで」

…なんていうフリで息子に受話器を渡された。なんの段取りだ。


「とにかく泊まりにおいで」

「そうだねぇ。ちかいうちに行くね」


そう言って受話器を置いた。時間にして10分ほど。


何年か前に電話で黙り込んだ私は、

「同じとこにいると息が詰まるし、孤独になるから泊まりにおいで」

と義母に言われ、泊まりはしなかったが遊びに行ったことがある。

駅まで義父と迎えに来てくれて、お昼何食べるかとか、夜は食べて行けるのかとか、今お腹すいてないかとか

なんか、私たちそんなにひもじく見えたのかな(笑)

息子のことやら、最近観たテレビの話し、霊媒師とか前世の話しをしたのを覚えている。

確かに少し楽になった。目を見て、私の言うことにうなずいてくれることに安心した。

それは、先日会った親友もそう。

私の話に割って入ることなく、ひと段落着くまでうんうんと聞いていてくれる。

うちの母も、最近は聞いてくれるかも。


人と人の出会いは、ありふれた偶然のような気がする。

そこから繋がっていけるかどうかは、縁。

昔は偶然・必然・運命を強く信じていた。

今も想うときはあるけど、

すべてひっくるめて、私は縁だと想う。

縁がなければ繋がってはいけない。

どんなに罵倒しあう最悪な人間関係であっても、冷め切った関係であっても、何年も会わない人でも

ご縁がある人たちとは、繋がり続ける。そういうことになっていると

そんなことを美輪さんも言ってた。あはは。

そんなふうに私のことを気にかけてくれる人たちを、心から大切に想う。

ありがとう。

ほんとに、ありがとう。

わたしは元気です。

ありがとう。


私もめぐりめぐって私として生まれ、私として生きている。

私が納得のいく答えを探すための旅を、私は長いことしている。

これからもずっと、私は私のために旅を続けるのか。


目を閉じる。

何もみたくない、感じたくない。そう想う私。

それは孤独なのかもしれない。

それでも、

旅のどこかで、必ず私を待っていてくれる。

今はつらくても、

この目を 開かないでいる理由はない